Process 木の話
耐震性
地震力は重さに比例
![]() |
スギ材は、同じ重さの鉄と木の強さを比べると、圧縮の強さは鉄の約3倍、 引っ張りの強さはコンクリートの約5倍もあります。地震によって建物が受ける地震力(振動エネルギー)は、 建物の重さに比例するので、日本のような地震の多い国では、軽くて、強い木材で家をつくることが適しています。 |
木造住宅を強くする対策
| 基礎と土台 | 建物の外周壁と内部の主な間仕切りの下に一体のコンクリート造の布基礎を設け、 アンカーボルトで土台を布基礎に緊結します。 |
|---|---|
| 柱の太さ | 建柱は、屋根や2階床の重さを支える大事な部材なので、十分な太さのものを使いましょう。 |
| 耐力壁と配置 | 筋交いなどの入った耐力壁の量と配置は、建物を地震から守るうえでもっとも大切なことです。 |
| 床、屋根 | 床や屋根の四隅には、火打ちを入れて全体がゆがまないようにしましょう。 |
| 建物の形と重さ | 建物の平面立面の形状、なるべく単純でまとまりのよいものにします。 |
防火性能
木材は、ある程度以上の厚さがあれば、表面がこげるだけでなかなか燃えません。したがって、 木造住宅に一定の防火対策を施せば、高い防火性能をもつようになります。
木は火に弱くない
火災時における木材の炭化速度は、1分間に0.6~0.8mm程度ですから、 15分間火にさらされても9~12mm程度しか炭化しません。したがって、12cm角の柱の場合、 10cm程度は炭化しないで残るので、柱や梁が倒壊するようなことはありません。 右の図でも明らかなように、鉄は、熱が加わると急速に強度が低下し、 変形しやすくなるので、重い屋根を支える柱や梁などがグニュリと曲がってしまいます。 木材は、相当程度火にさらされても、急激に強度が低下することはありません。
木と鉄の比較
一般的に火災に強いと思われている鉄ですが、400℃以上の熱が加わると、
その強度は急激に低下します。5分後には強度が半分に、10分後で1/10に落ちてしまいます。
これに比べて木は、800℃の熱にも耐え、20分たたないとその強度は半減しません。
消防士の間で「消火活動では、木造住宅よりも鐵骨造の方が恐い」と言われるのは、 鉄骨の方が倒壊しやすく、消火活動中に危険が伴うからです。 火災時の倒壊に対して、鉄骨構造の家よりもはるかに抵抗力があるのですが木造在来工法の家なのです。
耐久力
木造でも100年以上経っている建物がありますが、常にジメジメした状態におけば、木は腐りやすいのですが、適切な対策を施せば、半永久的に長持ちします。 私たちのまわりに、100年以上経過した住宅が残っているのは、そのためです。
木材は乾燥と通風をよくすれば半永久的に長持ち
木材は十分に乾燥した状態にしておけば、大変長持ちします。1,300年前に建てられた法隆寺の柱は、 今なお芳香を失わずに生き続けています。 木造住宅の耐久性を損なうほとんどの原因は、腐朽菌やシロアリなどの生物による被害です。 対策は、木材の乾燥と通風を図ることですから、家を建てるときには、この点を十分考慮して設計を行ってください。 また、耐腐朽性、耐蟻性の高い木材を選ぶことも重要なポイントです。
住宅の耐久性を向上させる対策
1.柱や梁などに、ヒノキやヒバなどの耐腐朽性、耐蟻性の高い木材を使用する。
2.次にあげる部分には、防腐・防蟻薬剤を加圧注入、または、塗布した木材を使用する。
・土台・外壁の柱・筋かい・下地板で地盤面から1m以内の木材
・浴室部分の木材(天井下地板、床下地板、根太等を含む)
・台所の水がかり部分
3.基礎の内周部や束石の周囲には、防蟻のための土壌処理を施す。
4.布基礎は鉄筋コンクリート造とし、基礎の高さをできるだけ地盤面から30cm以上確保する。
5.床下にコンクリートを打設するか、防湿フィルムなどを敷く。
6.小屋裏、床下の換気を十分に図り、防湿につとめる。
7.屋根、外壁には防水性の高い材料を使用する。
8.風通しの悪い部屋には強制換気の対策が必要。
健康・快適
人も木も生き物だから、私たちは木材にぬくもりを感じ、安らぎをおぼえるのです。 そのうえ、木材になっても木は生き続け、呼吸をしているので、 湿気を吸ったり吐いたりして自然のエアコンの役目もしています。
木は疲れを和らげる
冷えは自律神経を介して健康に影響を与えますが、 木の床は衝撃を適度に受け止めるだけでなく、床の冷えからくる疲れを防ぎます。 名古屋大学の研究グループによる床材と足の温度変化の調査結果では、 コンクリート、ビニールタイルは木に比べて熱伝導率が8~10倍で、足の温度を著しく低下させますが、 木の床は、逆に上昇させることがわかりました。
木は湿度を調整する
冷たいコンクリートやレンガの壁に湿気を含んだ暖かい空気が触れると結露を起こしますが、 木には吸湿性があるので、結露が生じにくいのです。さらに、周囲が乾燥すると水分を吐き出して湿度を調節します。 木をふんだんに使った室内は、湿りすぎたり乾燥しすぎたりしないので、快適な住居環境になるのです。 これは衣類や調度品の保存にも大切なことです。
居ながらに森林浴効果
折り箱や薄板で食べ物を包んだりしたのは、木が抗・殺菌効果をもっているからで、 昔の人の生活の知恵でした。きれいな森の空気の効用も古くから知られるところですが、 最近では森林浴として見直されています。木造住宅にすがすがしい木の香りを感じるのも、 木にこんな効果があるからです。
植物の抗菌・殺菌作用
ユーカリ | ブドウ球菌、流感ビールス、創傷治療、呼吸器系の治療、防虫(蚊など) |
カシ | 循環器系の治療 |
イチョウ | 高血圧治療 |
ヒバ | 防虫(蚊など) |
ポプラ | 痔治療、流感ビールス |
ササ | 防腐効果 |
スギ、マツ | ジフテリア |
ツツジ | 黄色ブドウ状菌 |
モミ | 黄色ブドウ状菌、百日咳 |
カシ、オレンジ | カゼ、バクテリアの殺菌作用 |
設計の自由度
木造住宅は、他の工法に比べ、設計・間取りが自由にできます。 したがって、一般の増改築はもちろん、高齢化に備えた対応も容易です。 3階建ては、敷地が有効に使えるので、とくに都市部では有利です。 設計面では、各室の配置、空間の広がりなどに配慮してください。
他の工法と比べて、設計の自由度はNo,1
柱と梁で屋根を支える軸組工法による木造住宅は、設計の自由度が高く、
この工法ではできて、他の工法ではできない設計がいろいろあります。
好みや価値観、暮らし方が多様化した現在、軸組工法の木造住宅は、
それぞれの暮らしに合った住まいづくりに幅広く応えられるといえるでしょう。
さらに、長い歳月の間には、子供の誕生、成長、結婚など家族構成もライフスタイルも変化します。
住まいも、その変化に合わせて変えられてこそ、よい家といえます。
木造住宅は、増改築が容易にでき、また、悪くなった部分の修理も簡単です。
増改築という点から、ツーバイフォー工法は
木組みの枠に構造用合板を貼り付けたパネルで家を支えているため、
その取外しが難しく、増改築に適しているとはいえません。
その点、在来工法は他の工法で考えられないほどに、増改築に対して柔軟性を持っています。
それは、在来工法が柱と梁による骨組みを主体にしている工法だからです。
そのために、例えば柱を移動してしまうことも可能です。
在来工法が根強い人気を得ているのも、こうした増改築に有利な点が高く評価しているからなのです。
また、補修の面でも在来工法は他の工法をリードしています。
ツーバイフォー工法では構造体の一部を補修することは難しいですが、
在来工法では比較的簡単に行うことができます。
